Bike Item Selection 一覧表

文/ケニー佐川 写真/山家健一 映像/アートワークス

NIRI-DORA

「旅日記ムービー」が簡単に作れて
ドライブレコーダーとしても安心だ

最近は日常のいろいろな出来事を動画で記録することが一般的になってきた。モーターサイクルの世界でも、メーカーはもとより、趣味でバイクを楽しむライダーも積極的に動画共有サイトなどを利用するようになった。自分も何か情報発信してみたいが、機材を揃えるのが大変そうだとか、カメラの扱い方が難しそうなどの理由でもう一歩踏み込めなかった人も多いのでは・・・。

そこで朗報。今回、ご紹介するニリドラモーターサイクル専用に開発されたオンボードカメラである。装着や扱いは簡単。アウトドアでの使用を想定しているので防水であることはもちろん、手軽に撮れて映像と音を記録に残せるのが特徴となっている。

ニリドラが他のオンボードカメラと大きく異なるのは、超小型カメラが最初から2つセットされていること。これは、もともと二輪用ドライブレコーダーとして開発されたためで、基本的には前方と後方に1個ずつセットすることで、前方からの衝突と後方からの追突などに対して、その瞬間を動画で証拠に残すことを目的にしている。なので、万が一のアクシデント時、たとえば代表的な「右直事故」などでは自分の正当性を裏付ける心強い味方になる。この機能だけでも十分有益だ。

そして、今回注目したのは、ワインディングの走りや思い出を記録するオンボードカメラ&データロガーとしての活用法である。まず取り付けだが、本体ユニットをシート下のスペースなどに

設置し、カメラを好きな場所にセットする。カメラは大きめのサイコロ程度の大きさ。軽量かつ両面テープで取り付けられるため、フロントカウルやフェンダー、シートカウルやナンバープレートホルダーなど、いたるところに簡単にセットできる。工夫次第によってサスペンションの動きやシフトワークなども、臨場感たっぷりに撮れるわけだ。電源はバッテリー端子から取るため、電池切れがないのがいい。GPSユニットやスイッチ類を専用ケーブルでつなげる作業も含めて、セッティングに擁する時間は1時間程度だろう。カメラの位置さえ決めてしまえば意外と簡単、というのが実感だ。記録媒体には高機能デジカメなどと同じCFカードが使われているが、これは振動に強いため。バイク用ならではの発想だ。撮った映像はパソコンですぐにチェックできる。

さて、実際の映像は予想以上に鮮明で、音声も含めてけっこうハッキリと撮れている印象。トンネルなど明暗が切り替わる場所でも、白く飛んだりブラックアウトせずにちゃんと調整できているし、広角レンズなので前後にいる仲間のライダーも含めて、路面や景色なども広範囲にカバーできている。これはマスツーリングなどには重宝するだろう。前を行くライダーを追走しながらライン取りやフォームなどを撮ったり、後ろのライダーを先導してその走りを撮ってあげることもできる。後で皆でその映像を見ながら、旅の思い出とともにワイワイと盛り上がったり、仲間のライディングをチェックしてあげることも可能だ。まさにツーリングリーダー御用達のアイテムだ。

また、GPSユニットによって位置情報や速度も同時に記録しているので、地図データとリンクすればリアルタイムでルートマップを作製することもできる。どのルートを何時にどう走ったかが地図データ上に再現できるため、映像とトークを合わせれば、自分だけの「旅日記ムービー」を作ることもできてしまうのだ。

映像のクオリティだけを見れば、他にもっと高性能なビデオカメラもたくさんあるはずだ。ただ、バイク専用ならではの利便性とドライブレコーダーとしての機能、データロガーなどの“使える機能”がこれだけついて、この価格であれば十分満足できるアイテムだろう。


ANSHIN MANAGEMENT
(安心マネジメント)
NIRI-DORA (ニリドラDRA-014)

2輪専用ドライブレコーダー
オンボードカメラ&データロガー

本体サイズ 120×80×25 ※単位mm
重量 230g
キット内容 本体、CMOSカメラ×2、LED信
号表示器、マイク、GPS、電源ス
イッチ、各種コネクターケーブ
ル、固定用金具&テープ、8G
CFカード(再生ソフト付き)
防水仕様
価格 34,800円(税込)



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標準で2台のカメラを装備。前方、後方を同時に撮影できるほか、シフトチェンジやサスペンションの動きなどアイデア次第でいろいろな映像が楽しめる。両面テープで接着できて、上下方向の角度調整も可能だ。防水タイプ。


本体はシート下などに収納できるサイズ。記録媒体は振動に強いCFカードをあえて使用している。キットに同梱されている容量8GBのカードで6~7時間程度の連続撮影が可能。別売で32GB(11,000円)も用意。


映像と合わせて、GPS機能により位置情報も同時に記録。ネット環境があれば、グーグルマップと連動して速度や加速度などの情報も含めたリアルタイムなルートマップを作製することもできる。アクシデント時は動かぬ証拠に。


ノートパソコンなどを持参すれば、ツーリング先ですぐに映像のチェックもできる。今走ってきたルートをその場で確認したり、フォームやライン取りなどお互いの走りをチェックして楽しめる。情報はネットを介して仲間とシェアすることも。


REVIEWS アイテムレビュー後の総合評価一覧
映像品質 ★★★☆☆ 広角レンズで広範囲に撮れて前を走るライダーのライン取りやフォームが確認できる解像度がある。ドライブレコーダーとして開発されたため、自動露出で夜間の映像もまあまあ鮮明。
操作性 ★★★★☆ 最初にセッティングしてしまえば、あとは撮影したいときに手元のスイッチでオン・オフを操作するだけ。再生する場合は、本体からCFカードを抜いてパソコンにセットするだけと簡単。
機能性 ★★★★☆ 2台のカメラによる同時撮影の他、GPSの位置情報を利用したルートの再現など、データロガーとしても有効。最新の常時記録機能によりシームレスで6時間以上連続記録できる。
耐久性 ★★★★☆ カメラ、GPS、LED表示器などの備品には防水加工が施され、通常の雨天走行なら問題ない。振動にも比較的強いが、極端な高温や低温で放置すると故障の原因になることも。
総合評価 ★★★★☆ ドライブレコーダーとしてだけでなく、走りの映像とデータを仲間とシェアして楽しめる拡張性が魅力。価格的にも納得感がある。欲を言えば、映像のさらなるクオリティアップに期待したい。また、その場で映りを確認できるモニターがセットされていればなお使いやすいと思う。
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